生体情報システム科学専攻 概要

医学系、薬学系、生物学系、生命工学系、生体工学系、情報工学系が連携して、ミクロレベルでの生体情報システムの解明と、その応用に関する最新教育を行います。

専攻の概要

「ポストゲノム時代」における,生体システムの機構解明では、生体内で同時に進行している現象を多面的に観察し理解する必要性が高まっている。 また遺伝子診断やオーダーメード医療に代表される、これからの標準的医療システムにおいても、莫大な情報を効率よく取得し、解析、理解するための方法論の開発が求められている。 さらにライフサイエンスの急速な発展に呼応して、高齢化福祉社会、健康増進社会に即応しえる新たな生体システム科学、知能情報工学や医工学の発展が求められている。 このような背景の中、本専攻では、時々刻々進む複雑な生命現象の過程とその機構や未解明の遺伝子情報やその発現・制御機構を、主に分子、細胞から組織レベルで研究し、解明する先端生命科学研究者を育成する。 またそのミクロな生体内情報処理メカニズムに関する最新の知見に基づき、生体機能計測、医療計測、環境計測を行う機器、また生体機能支援機器などを設計開発できる最先端研究者、高度技術者あるいは、高度医療機器や最先端の情報工学を理解し活用できる高度技術者や薬剤師を育成する。 さらに認知・情動脳科学専攻とも連携して生体情報システムとしての脳神経ネットワークに関する最新知見や分野横断的解析法を修得し、神経疾患の予防や治療薬開発に携わる創薬科学者及び次世代の知能情報工学、脳型コンピュータ、ヒューマンインターフェイスなどの設計・開発に寄与する人材の育成を目指す。 本専攻では,医学系(兼担)、薬学系、生物学系、生命工学系、生体工学系、情報工学系の教員が連携して、このようにミクロレベルでの生体情報システムの解明と、その応用に関する最新教育を行う。

指導教員研究内容一覧

教育分野 指導教員 研究内容
構造生物学 教授 水口 峰之 プロフィール 関連サイト タンパク質の立体構造をNMRによって決定し機能解析を行うとともに、アミロイド線維等の異常構造について調べ、タンパク質の構造変化と疾患との関連について研究する。
ゲノム機能解析 教授 田渕 圭章 プロフィール 関連サイト
  • 細胞分化の機械的制御
  • 細胞ストレス応答の分子メカニズムの解明
和漢薬知統合学 准教授 東田 道久 プロフィール 関連サイト 和漢薬・漢方薬を司る古典的学問的理論体系を基盤とした以下の研究 〔標的病態〕 機能性精神疾患 (うつ、統合失調、発達障害)、心不全 〔基盤とする学問体系〕 金匱要略、漢方医学、中医学、生理学、生化学、薬理学 〔戦略と目標〕 1) 和漢薬の薬物応答性(証)を指標にした機能性精神疾患の病状診断、発症機序解明、新規治療和漢薬処方開発 2) 致死性の心不全再発症を予防する新規治療和漢薬処方開発
生命情報工学 教授 黒澤 信幸 プロフィール 関連サイト ヒトや哺乳動物を対象とした疾患に関わる分子について研究を行うとともに、診断・治療に役立つモノクローナル抗体の開発を行う。
時間生物学 教授 池田 真行 未知の生命現象の探索や、新規な生命計測の方法を確立することを目的とする。具体的には、カルシウムイオンはじめとする細胞内シグナルメッセンジャーの可視化プローブ遺伝子導入技術、細胞培養技術、これらを用いた生理活動の長期安定測定技術について研究を行う。
生命電子工学 教授 篠原 寛明 プロフィール

令和6年3月退職予定

情報変換機能を有する生体分子の人工構築、新規な計測デバイスを利用する高感度で迅速なバイオセンシングシステムの設計・開発、さらには改造した生体分子や細胞とエレクトロニクスデバイスをフュージョンしたバイオエレクトロニクスシステムの設計・開発など、生体系とエレクトロニクスシステムをつなぐインターフェイスの設計に関する教育・研究を行う。
生体計測工学 教授 鈴木 正康 プロフィール バイオセンサの「微小化」と「集積化」をキーワードに、医療やバイオサイエンス、環境科学などへの応用を目指した免疫センサや酵素センサに関する研究を行っている。特に、個々の細胞の機能や状態を多数並行して計測できる新しいバイオセンシング技術の開発を行っている。
脳・神経システム工学 教授 川原 茂敬 プロフィール 関連サイト 比較的簡単な連合学習課題である瞬目反射条件付けを用いて、脳内の領域間相互作用や階層的制御機構をシステム論的立場から研究する。
生体組織医工学

教授 中村 真人 プロフィール 関連サイト

令和6年3月退職予定

医工学技術を活用して、組織/臓器の再生医工学の革新的概念・新原理を創出し、新時代の医療を創出することを目指す。その実現にはマルチスケール、マルチフェーズ、多分野融合の取り組み、さらに、技術を具現化し現場に届ける製品開発技術も重要課題である。新時代への医工学教育研究を行う。
比較神経内分泌学 教授 松田 恒平 プロフィール 関連サイト 摂食行動や情動行動を制御する脳制御機構の進化プロセスを探ることを目的として、摂食行動や情動行動に影響を与える神経ペプチドの機能解析を下等脊椎動物を用いて進めている。
生体情報薬理学 准教授 髙﨑 一朗 プロフィール 関連サイト 「痛み」および「痒み」に関する研究を進める。特に神経障害性疼痛やアトピー性皮膚炎などの難治性慢性疼痛・掻痒疾患について、痛み・痒みの発生メカニズム、痛み・痒みが慢性化するメカニズムを明らかにし、新規疼痛・掻痒治療薬の創薬研究を行う。