教育部長の挨拶

生命融合科学教育部長 高雄 啓三

生命融合科学教育部は、富山県内の国立3大学の統合(2005年)に伴う、新・富山大学の誕生と同時に発足しました。本教育部は、医学・薬学・理学・工学の4つの異なる学系に所属する教員が結集して生命科学関連分野の融合的な教育を行う、日本初の大学院博士課程であり、分子・細胞・回路・個体レベルの生命現象から、次世代創薬、高度医療開発までを抱合した学際融合的な生命科学の研究と教育を、その使命としています。
本教育部は、発足当時より認知・情動脳科学専攻、生体情報システム科学専攻、先端ナノ・バイオ科学専攻の3専攻で構成されております。それぞれの専攻では、医薬理工の各分野における専門的・先端的な立場から生命科学の教育を行うと同時に、4つの分野の融合的な視点に立って、学際的な新領域の開拓につながる技術や理論を修得できるよう、「異分野体験実習」をはじめとする幅広い教育を実施しています。さらに本教育部では副指導教員制度により異なる専門の視点からの教育指導も受けられる仕組みを作っています。本教育部には、医薬理工の各分野で世界的レベルの研究成果を挙げている研究者が所属しており、大学院生の皆様には高度な研究を通じた先端教育を楽しんで頂けると確信しております。
本教育部は博士課程のみで修士課程を持ちませんが、本教育部の取り組みに基づいた形で医薬理工の融合教育を行う場として大学院医薬理工学環が2022年に誕生し、修士課程の教育が行われております。
本教育部は、これからの生命科学が関わるあらゆる分野、すなわち次世代創薬、高度医療、生命環境科学などで社会の要請に応え得る人材、また学際的・融合的な能力を活かして生命科学分野で活躍できる自立した研究者の育成を目指しております。皆様が大学院に入学され、富山大学のキャンパスでお会いできることを願っております。