教員の研究紹介
中島 敏

認知・情動脳科学専攻 Major of Cognitive and Emotional Neuroscience

海馬・高次運動野の運動の計画への寄与
Contributions of premotor areas and the hippocampus to motor planning
Nakajima, Toshi人体生理学 Human Physiology
中島 敏 Nakajima, Toshi
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  • Keywords : 運動,ニホンザル,単一神経細胞活動,局所電位(LFP),補足運動野,前補足運動野,背側運動前野,可逆的不活性化

研究の背景と目的 Background and Purpose of Study

我々の日常生活では複数の動作を適切なタイミングで順序良く実行しつつ目的指向の行動を行うことが多々あり,これにはヒトや霊長類では前頭前野,高次運動野が中心的な役割を果たすと考えられてきました。一方海馬は空間ナビゲーション及びエピソード記憶に強く関連付けられていますが,最近になって時間を表現すると考えられる海馬の神経細胞活動が齧歯類で見出されました. これより,高次運動野だけでなく,ヒト・霊長類の海馬も動作の順序制御に役割を果たしているという仮説を立てることができます.この仮説を検証すること,及び運動に関与する運動関連領野と海馬の機能を比較することが研究目的です。

本研究の領域横断性

これまで記憶・空間表現という切り口で捉えられていた海馬の機能を,運動という側面から捉え直し,海馬と運動関連領野の活動の何が共通で何が異なるかを客観的に検証することにより,これまでに心理学的用語によって定義されてきた脳の各部位の機能を再検討する機会を与えます.さらに,得られる結果は,認知症治療および脳障害部位に応じたリハビリテーション法開発のための基礎的な知見となることが期待されます.

研究内容

複数の動作を順序良く行えるようにサルをトレーニングし,課題を行っているサルの海馬および高次運動野から神経細胞活動を一つ一つ丹念に記録し,運動準備期間,運動実行期の活動を解析して比較します.また,薬剤による海馬および高次運動野の局所的な可逆的(元に戻すことができる)不活性化にも取り組み,現れる欠落症状の違いに基づいて両者の機能の相違を検討します.

参考文献

György Buzsáki, M. D. (2019). The brain from inside out. Oxford University Press.
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