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  講演会・セミナー開催案内

平成29年度講演会・セミナー開催案内

2018年3月

「再発乳がんの活性染色体ドメインに関わる エレノアノンコーディングRNA」 
〜Eleanor long non-coding RNAs in the active chromosomal domain in breast cancer 〜
講師:斉藤 典子 先生
公益財団財法人がん研究会がん研究所がん生物部部長 
日時/2018年3月7日 (水) 17:20~18:15
会場/富山大学五福キャンパス 理学部A424講義室
世話人/井川 善也
PDFファイル 講演ポスター(167KB)

画像:講演の様子 【セミナー報告】
参加人数:45名

 タンパク質をコードしないRNA(非コードRNA)が遺伝情報発現の諸過程で重要な役割を果たすことが近年広く認識され、染色体の構造や機能のエピジェネティック制御においても非コードRNAが重要な関与をすることも明らかになりつつあります。 斎藤典子先生はエストロゲン非依存的な増殖能力の獲得にエレノアと命名された一群の長鎖非コードRNAが関与していること発見し、エレノアRNAが近年発見されたドメイン単位のクロマチン制御と核内構造の生成を制御していることを見いだされました。講演ではそれら一連の研究とガンの診察治療の応用の展望についても紹介いただきました。染色体構造の新しい階層(ドメイン)とその制御への非コードRNAの関与は、RNA機能にまだまだ未知の可能性の多いことを印象づけました。本セミナーは学長裁量経費プロジェクト (理工医薬和漢RNAアライアンス)主催の「富山RNAワークショップ」と併催した相乗効果もあり,五福キャンパス(理学部、工学部)に加え、杉谷キャンパス(薬学部、和漢研)などからも多く参加され、RNA研究への関心の高まりを感じさせました。報告 井川 善也

2018年2月

「Multifunctional fibers: a new tool to look into brain in detail」
講師:Yuanyuan Guo 助教
東北大学学際科学フロンティア研究所・
大学院生命科学研究科超回路脳機能分野
日時/2018年2月13日 (火)17:30~18:45
会場/杉谷キャンパス 薬学部研究棟Ⅱ7階セミナー室8
世話人/西丸 広史
PDFファイル 講演ポスター(713KB)

画像:講演の様子 【セミナー報告】
参加人数:30名

 神経科学分野において、これまで金属やシリコンをはじめとする様々な材質から作製された微小電極やプローブが覚醒下の動物の脳活動を記録・解析するために用いられている。 これにより、多くの脳内のニューロンの活動を同時に測定あるいは制御することができる。その一方、従来の無機材料を用いた電極は、生体において炎症・免疫反応を起こしやすく、しばしば安定した測定や解析の妨げとなることがある。脳の機能をできるだけ正常に保ちつつ、多くのデータを得るためには、繊細な脳組織に与えるダメージを最小限におさえつつ、脳の様々な種類のシグナルを同時に、効率的に測定できるプローブの開発が必要である。Guo 助教(東北大学学際科学フロンティア研究所所属)らは最近、米国MITのPolina Anikeeva教授、バージニア工科大学のXiaoting Jia教授らと共同で、これまで電気通信業界で光ファイバーの製造過程で用いられてきた熱延伸プロセスを利用して、ヒトの毛髪と同じような太さと柔軟性を持ち、光学的、電気的、化学的なシグナルを同時に測定することが可能な多機能ファイバーを開発した(Guo et al. ACS nano, 2017)。この特別セミナーでは、Guo 助教がこの多機能ファイバーについて、その作製方法、応用と可能性について発表し、ディスカッションを行った。まず、カーボンナノ粒子とポリエチレンを組み合わせた導電性ポリマーを用いた作製法の詳細とその電気的性質をはじめとする特性を紹介した。次に、実際にマウスの脳に埋め込んで記録された神経細胞の活動や光操作した結果を発表した。また、これまで広く用いられてきた金属電極と比較して、刺入部位の炎症反応を低く抑えることができることを示した。この脳機能測定技術の革新的な技術的進歩に関する講演において、多くの大学院生および教職員が聴講し、非常に活発な議論が行われた。

「遷移金属触媒による含窒素環状分子の再構築反応」 
講師:岡本 和紘先生
京都大学大学院工学研究科 物質エネルギー化学専攻  
日時/2018年2月9日 (金) 17:00~18:30 
会場/富山大学工学部 大会議室
世話人/阿部 仁
PDFファイル 講演ポスター(307KB)

画像:講演の様子 【セミナー報告】
参加人数:58名

 含窒素複素環化合物は医薬品,機能性材料,生命科学などにおける活性部位として重要である。本講演会では,容易に切断可能な窒素酸素結合を含む含窒素環状骨格に対して遷移金属触媒を作用させることにより,結合切断と再環化を伴う多種多様な含窒素骨格の構築手法を紹介して頂いた。特に,合成容易なイソオキサゾールから,見かけ上,エントロピー的に不利な2H-アジリン誘導体を含む様々な含窒素小員環骨格を選択的に合成する手法は,従来の有機合成化学を凌驚する手法であり,ヘテロ環合成化学の新境地を開拓する先進的な内容であった。有機分子の性質と遷移金属錯体の特性を駆使することで,従来の概念にとらわれない多種多様な分子変換技術の開発が今後も期待されると感じた。新しいコンセプトと豊富な実験量に基づき展開された本講演は,参加者の興味を引きつけただけでなく,今後の有機合成化学が目指すべき方向性を明確に示してくれた。今回,50名以上の参加者があり,薬理工のそれぞれの分野の教員と学生から活発な質疑応答が行われた。

2017年12月

「霊長類脳への外来遺伝子導入技術の進展と応用」
Recent advances in foreign gene transfer into primate brains
講師:高田 昌彦 教授
京都大学霊長類研究所 副所長 神経科学研究部門 統合脳システム分野
日時/2017年12月14日 (木) 17:15~18:20
会場/杉谷キャンパス 共同研究利用棟6階会議室
世話人/西条 寿夫
PDFファイル 講演ポスター(260KB)

画像:講演の様子 【セミナー報告】
参加人数:26名

 本特別講義では、高田先生が開発し、特にサルを対象とした脳科学研究では近年国際的潮流になりつつある、ウイルスベクターを用いた様々な先端的研究手法について講演した。具体的には、1)組換え体ウイルスベクター(アデノ随伴ウイルスやレンチウイルス等)を用いて外来遺伝子をサル脳に導入し、Cre-loxPやTet-ON、さらにはoptogeneticsやDREADDと組み合わせることにより、高次脳機能の解明や精神・神経疾患の病態解明の鍵となる遺伝子改変霊長類モデルの作出法、2)逆行性感染型レンチウイルスベクターにより神経路選択的に遺伝子導入を行う方法、3)新規アデノ随伴ウイルスベクターの血管内投与により、全脳レベルで遺伝子を導入する技術、および4)逆行性多シナプス性感染能を有する狂犬病ウイルスに異なる蛍光色素遺伝子を組み入れたウイルスベクターによる多シナプス性神経回路トレーシング法について講演された。  講演後、活発に質疑応答がなされ、ヒトのパーキンソン病の遺伝子治療の可能性について言及され、興味深い講演会であった。


「腫瘍由来PDGF-BB誘発転移における周皮細胞の役割」
Novel mechanisms of pericyte involvement in tumor-derived PDGF-BB induced metastasis
講師:保坂 佳代子
カロリンスカ研究所・ラボマネ-ジャ- MTC (Department of Microbiology, Tumor and Cell Biology), Karolinska Institutet, Sweden
日時/2017年4月25日 (火) 17:30~18:30
会場/杉谷キャンパス薬学部研究棟7階セミナー室8
世話人/笹原 正清
PDFファイル 講演ポスター(207KB)

画像:講演の様子 【セミナー報告】
参加人数:22名
腫瘍由来の血小板由来増殖因子(Platelet-derived growth factor BB、PDGF-BB)は癌転移を促進するが、転移における血管周皮細胞の役割はあまり知られていない。 そのため、血管周皮細胞がPDGF-BB産生性腫瘍の転移において果たす役割、並びに血管周皮細胞と関連した腫瘍微小環境内の変化・役割を、マウス腫瘍モデルを用いて検討した。 PDGF-BB産生性腫瘍では、血管周皮細胞数が減少し、透過性が亢進した血管が認められた。その結果、PDGF-BB産生性腫瘍の血管は癌細胞が癌組織より腫瘍血管内へ侵入することを容易にし、 癌の転移リスクを上げることが認められた。また、血管周皮細胞は、腫瘍由来のPDGF-BBによって線維芽細胞へと分化形質転換し、癌関連線維芽細胞として転移に貢献することが分かった。 さらに、血管周皮細胞ならびに線維芽細胞はPDGF-BB刺激によりIL33を産生し、M2型腫瘍関連マクロファージを誘導することで、転移を促進することを発見した。これらの現象はPDGFR・を介して誘導されるため、 血管周皮細胞のPDGF-BB–PDGFR・シグナル伝達系を標的にした治療法は転移予防に有効な戦略となる可能性がある。

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